【小説】うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。6【感想】

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後始末と父母の巻
現在の話と1巻より前の話、そして懐かしのちいさな娘の話と、様々な時間のエピソードが交錯する。
現在の話は、魔王問題を解決したデイルとラティナがクロイツに帰還するまでの話。
深刻なラティナ欠乏症に陥った勇者デイルの甘すぎるスキンシップで魔王ラティナに腹上死の危機!?ここは今までで一番笑ったかもしれない。
そしてヴァスィリオからクロイツへ。やはりこの二人にはこの街が似合う。
あえてお説教で迎えるリタに涙するラティナにもらい泣きしてしまう。
ということでまだ続くけど二人は幸せなキスをしてハッピーエンドという終わりらしい終わり。

そして続いては今回のメインスマラグティ(ラグ)の「うちの双子ホームビデオ」である。
モヴとの出会いからラティナとフリソスの誕生と成長、そして別れ。
デイルとはまた違った、理知的で冷静な親バカぶりを見せるラグ。この本に出てくる男はこんなのばかりなのか。
親子四人のほのぼのライフはほっこりするものの、結末が分かっているだけに切ない。

 

最後は懐かしのラティナ初期形態とのいわゆるクリスマスの話。今回のラティナは大小幼と全バージョン盛りだくさんである。
とはいえこっちのメインも夢の中での父母面談で、前日譚から話が繋がっている。
親バカ勇者と親バカ導師のドリームマッチ。ここまでやるとは思わなかった。結局親バカ同士で意気投合して無事許しを貰えてなによりである。

 

今回は過去編メインなのでデイル×ラティナ分は少なめ。とはいえ腹上死のくだりやリア充っぷりを魔物に見せつけるなどやることはやっている。
ラティナは過去編でまた新たな可愛さを見せてくれる。
そして忘れてはいけないのがフリソス。中々デイルとラティナの間に割り込むのでここでかわいいところを見せようという作戦だろうか。小さい時はあんなに可愛かったのに。苦労したんだなぁ。胸に栄養が行かないほどに(
今回のテーマとしては父も母も偉大なり。ということ。過酷な運命の中でも自分の子どもを守るために命をかけた二人の姿はとても美しかった。
前回が重苦しい展開が多かった分、今回はだいぶスッキリした雰囲気だった。