【小説】うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。9【感想】

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おまけの巻

前巻で結婚+遠い未来のエピローグほどの大きなイベントはなし。

結婚後の新婚旅行、ケニスとリタの馴れ初め、フリソスのお忍びの話、ラティナ初めてのお出かけ、少し未来のエピローグ

 

 

いつもどおり、飯描写に気合が入っている。ラティナだけでなく若き日のケニスもまた食への執着が半端ないことが語られる。

また、クロイツ以外の町も今回多く登場している。今回は旅+食の要素が強い。そして思い出したかのようにバトルも発生。一応強敵のはずだけどやっぱり危なげなく勝ってしまうのだが。

新婚で今まで以上にラティナとイベントを起こすデイルと新婚でも今までどおりぽやんとしているラティナに、家畜を愛でるラティナを可愛がるデイルと家畜に対しては意外な表情を見せるラティナと、いつもとは少し違う二人が見られる。

そして、少し未来の話。近しい人達と違う時間を生きることになった二人の少し切ない話。各エピソードの裏でちょいちょいデイルが領主になって領地を切り盛りしていく様子も語られている。

さすがに前巻で大団円になったデイルとラティナに大きなドラマはない。

今回のメインはケニスとリタの出会いから結婚までの話。

デイルとラティナの師匠であり常識人のケニスだが、冒険者時代はデイルに負けず劣らず残念な感じだったことが明らかになる。一方でリタは若い頃からのしっかり者。そんな二人がどうして結ばれたのか、そしてその時から常連だったジルヴェスターは本当にすごいのか、というのが今回の目玉だった。

まだ色々と空白の時間があり想像が膨らむが、これが本当に最後らしいのであとは想像におまかせします、ということか。

最後までほにゃんとさせてくれた作品だった。