【小説】うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。1~8【ネタバレ】

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bookwalker.jp

アニメ1話を見てから原作1~8巻までを読み始めての感想。

 

 

アニメだけ見てるとこれは「拾った幼女を育てながら魔王と戦う勇者の物語」だと思いました。実際アニメのCMやグッズは全部幼女なラティナの姿ばかりでまさかこのラティナが原作3巻で年代ジャンプして立派な美少女に成長してしまうとは想像できないでしょう。原作が(アニメ時点では)8巻なので、幼女でいる期間より成長してからの期間のほうが長いです(一応過去編としては登場)

 

この作品は幼女愛玩ファンタジーではないです。ファンタジー源氏物語です。メインは拾われ子のラティナと保護者デイルの年の差恋愛ストーリーです。

さらに言うと、タイトルにある「魔王も倒せるかもしれない」は原作だと5巻の1冊だけです。勇者と7人の魔王の戦いは1冊だけで終結します。

なので、この作品はこういう人におすすめ、またはおすすめではないとなります。

 

○:ハーレムものが嫌いな人

これが個人的に大きかったことで最近のラノベの中ではヒロインがラティナ一人だけで完全に主人公とヒロインが一対一になっている点は珍しいのではないでしょうか。

ハーレムものが苦手、という人にはストレスなく読める作品です。

 

○:長いシリーズが苦手な人

これも最近のラノベでは珍しいことに、メインとなる魔王との戦いが5巻で決着してしまうので、そこでシリアス要素はほぼ終わり、後は幸せな後日談と過去編ばかりで、アニメ放送時点で8巻ととてもコンパクトです。なのでアニメから入ってもすぐ読み終われます。(お財布にも優しい)

 

○:年の差恋愛ものが好きな人

×:幼女ものを期待している人

最近だと「私に天使が舞い降りた!」のような幼女を愛玩する要素は前述のように少なめです。それより養い子と保護者の関係から恋人同士となる年の差恋愛のむずがゆい感じが好きな人に向いてるかもしれません。

 

×:勇者と魔王の熱い戦いを期待している人

勇者と魔王は5巻でしか戦いません。当然恐るべき速度で処理されていきます。はっきりいって勝負にもなりません。これはタイトル詐欺と言われても仕方ない。「倒せるかも」ってレベルじゃないもん。

 

アニメのような話が続くと思って原作を読むと期待はずれと思う人もいるかも知れませんが、成長したラティナの切ない恋心や保護者としての立場に悩むデイルなど、ガラッと雰囲気が変わって恋愛ものになり、そこから勇者と魔王の世界を巻き込んだ戦いに発展するヒロイックファンタジーものになったりと、色々な要素を少ない巻数に詰め込んだ作品です。

個人的には一気に全巻読めるくらいにはハマった作品でした。