【小説】賢女ひきいる魔法の旅は 【感想】

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ファンタジーの女王ダイアナ・ウィン・ジョーンズ最後の作品。

執筆中にダイアナが亡くなり、絶筆となった作品を妹のアーシュラが引き継ぎ完成となった。と、出版の過程にドラマを感じさせるが、闘病しながらの執筆というのを感じさせない、中身はいつものDWJファンタジー


安定の落ちこぼれ主人公、だめな大人たち、自分勝手な仲間との珍道中、そして身内に命を狙われる人!ということで、ダークホルムに近い。

4つの島のモデルはイギリスの各地方だが、各地方とも個性が強く、旅の過程で落ちこぼれ主人公がどんどん強かになっていくのが爽快。まぁ元から玉の輿狙ってたっぽいし、そういう図太さもダイアナ作品らしい。

 

ただダイアナ作品特有の終盤に畳み掛けるめちゃくちゃ感が弱いように感じてしまう。

あとがきにも書かれているけど9割完成してからの作者交代のため、それを読むと余計にそう感じてしまう。そこが惜しかった。欲言えば完全版を読みたかった。

 

最後までファンタジーを書き続けたダイアナとそれを引き継いだアーシュラ、そして訳者の野口絵美氏、田中薫子氏達、多くの挿絵を描いてくれた佐竹美保氏に感謝。