最近読んだ本の感想(2023.10)

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春夏秋冬代行者 春の舞 上

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最初から上下巻のうえ452ページと電撃の力の入れ具合がわかる構成。初見の感想はこれ少女漫画?的なノリで季節を巡らす代行者と主従。運命でがんじがらめに縛られた者たちのちょっと耽美なお話…と思ったら毎回テロリストが襲ってくるよ!最期はミサイルまで飛んできてハリウッド映画みたいなノリに。面白いけどイメージしてたのと違う…

 

春夏秋冬代行者 春の舞 下

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1冊まるごとテロとの戦い。表紙の雅なイメージとはかけ離れたアクションスペクタクル&らぶ。
裏切り者多すぎ組織腐りすぎでバランス悪いクソゲーみたいだよ。特に敵の首領は殺すのすら生温いと思うくらいには邪悪。幼女にも容赦がない。

そんな巨悪との戦いを乗り越えて再会した冬と春の甘々生活が始まる…のか?

もう代行者頼みのシステムが限界になっていて最後は役目を手放すのが幸せな気がする。

新訳 星を知らないアイリーン おひめさまとゴブリンの物語

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『指輪』『ナルニア』以前に書かれた英国のファンタジー。作者のジョージ・マクドナルドはルイス・キャロルの友人で『アリス』の出版を勧めたという。の割に日本での知名度は少ない。この作品も続編があるのだがつばさ文庫では刊行されなかった模様。

炭鉱夫の少年と孤独なお姫様の出会いで始まる物語は王道的で後続の大作ファンタジーよりとっつきやすいかも。一方でゴブリンの容姿に対する容赦のない描写や宗教的な部分は当時の価値観が現れている。
なお、OKAMA絵で主人公の母親がゴブリンに襲われて服を破かれるシーンが描かれている。古からゴブリンはエロ要員だった模様

 

初恋ロスタイム

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まずこれつばさ文庫で出すの?と思ったら元はMW文庫だった。しかも実写映画化済。
時間が停止した世界で動けるたった二人の少年少女。隔絶された世界での二人だけの甘酸っぱい交流。明かされる秘密と急転直下の怒涛の展開。そしてバッドエンドとグッドエンドを兼ね備えたラスト…って『君の名は』だ。

確かに『君の名は』の後追い感がすごいけど『君の名は』に比べて登場人物も舞台も徹底的に狭く、初めての女友達相手に空回りする高校生男子の姿などの描写が良い。そして伏線の回収も上手い。特になぜ彼が選ばれたかの答え合わせがずるい。オタクが好きなやつ。
これアニメでやってれば受けそうなのに